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【ロンドン=内藤泰朗】「牛肉」と表示された肉製品に馬肉など別の肉が混入した偽装表示商品が欧州各国で相次ぎ見つかっていることを受け、欧州連合(EU)は15日、緊急調査を実施することを決めた。今年初めに英国で発覚した馬肉の混入騒動がEU全域に拡大した形だ。特に、英国の消費者の不信感は募るばかりで、続出する偽装表示問題は内政や外交問題に発展する可能性も出てきた。
EUの決定によると、加盟27カ国の店頭で販売されている牛肉食品の2250点を無作為抽出し、馬肉が混入していないかDNA検査を行う。食用家畜への使用が禁じられた薬品が含まれている疑いも出ており、同時に検査する。結果は4月15日までにEUの執行機関・欧州委員会に報告され、加盟国に通知される。
これに先立ち、英食品当局は独自の検査を実施し、国内で検査した2501商品のうち1%強に当たる29商品で、別の肉が混入していたと発表した。
7日には、フランスの食品加工会社の冷凍「牛肉ラザニア」で、牛肉が一切使われておらず100%馬肉だったことも発覚。ルーマニアの食肉処理場から店頭に並ぶまで、キプロスやオランダ、ルクセンブルクなど5カ国以上の業者を経由して流通している実態も判明し、偽装表示が欧州全体の問題であることが明らかになった。これまでのところ偽装表示商品は欧州10カ国以上で見つかっている。
中でも英国とアイルランドでは、「牛肉100%」のハンバーガーに馬肉が使われていたことが抜き打ち検査で判明した1月以降、学校給食のパイやミートソースにまで馬肉が混入していたことが相次いで明らかになっている。
特に、馬肉を食べることをタブー視する空気が強い英国の世論は収まる気配がない。偽装表示問題が英国のEU懐疑派にとって格好の批判材料となっていることから、英国とEUの新たな“政治問題”に発展する懸念も出てきた。
2008年の金融危機以降、乗馬用に所有していた馬を経済的な理由から手放す人が増えており、こうした馬の肉を牛肉に偽装した、組織的な大規模詐欺事件に発展する可能性も指摘されている。