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東京地検が、事件への関与を一貫して否認してきた片山祐輔被告の起訴に踏み切った背景には、米連邦捜査局(FBI)からもたらされた情報や、神奈川県藤沢市の江の島の防犯カメラの映像など、公判を維持するに足りる状況証拠が集まったことがあるという。弁護側は片山被告の主張に沿って冤罪を訴えるが、多くの不自然さも残る。
「証拠内容に踏み込んだ説明はできないが、捜査を遂げ、有罪の確証を得た」。22日、東京地検は慎重に言葉を選びながらも、起訴の理由をこう説明した。これに対し、弁護側が無罪の根拠とするのは、片山被告が遠隔操作ウイルスの作成に使われたプログラム言語「C♯(シー・シャープ)」を使う能力がないという主張だ。21日の勾留開示請求の場でも、片山被告は「使い方を勉強したことがない」と改めて訴えた。
ただ、片山被告はIT関連の専門学校に通っていて、他のプログラム言語を使えることは認めており、ネットセキュリティー会社の関係者は「他の言語が使えれば、応用でC♯も使えるはず」と首をかしげる。
また、弁護側は、大阪府の男性のパソコン(PC)が遠隔操作され、大阪市のホームページ(HP)に無差別殺人予告が送られた昨年7月29日は日曜日で、「片山被告は派遣先に出勤していなかった」と訴えている。だが、合同捜査本部はこの殺人予告が、派遣先のPCから遠隔操作されたかを明らかにしていない。ウイルスが仕組まれた無料ソフトは2日前に掲示板に書き込まれており、同29日以前に男性がウイルスに感染していれば、どこからでも遠隔操作は可能だ。
起訴を受けて、佐藤博史弁護士らは会見を開き、「間違った起訴。刑事司法が暴走をしている」と改めて捜査当局を批判。片山被告は起訴直前の接見で「(勾留満期の)2日後にはここを出て、花見に行くつもりだったのに。なんでこんなことになったのか」と頭を抱えていたという。
合同捜査本部は今後、誤認逮捕された他の3人の計4件についても立件する方針だが、捜査には引き続き慎重さが求められる。
特に、横浜市の小学校への襲撃予告は、ウイルスとは別の手口が使われており、FBIからの情報も役に立たず、他の事件とは別の証拠が求められる。捜査関係者は「誤認事件の解決なくして事件の全容解明とはいえない」としている。