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すったもんだのあげく、来年3月の第3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に、日本代表侍ジャパンが出場することが決まった。不参加を決議したプロ野球選手会(新井貴浩会長=阪神)は翻意したが、これで一件落着とはいかない。本来の要望だった利益配分など米国側との権利や利益配分に何ら変化なし。また監督の人選は難航を極め、現場からは選手にも“人材不足”を嘆く声もある。とてもじゃないが、気楽に「3連覇」と浮かれてはいられないのだ。
■利益配分の米有利は変わらず
一転してWBC出場が決まったが、収支決算はどうなるのか。
選手会側は4日、「日本野球機構(NPB)が商品をつくる権利などを持つことが確認された」「NPBのスポンサー掲出ができる」ことを参加に転じた理由とした。
しかし、実際には1カ月半前に不参加表明した時点と何も変わっていない。そもそもWBCでの「日本代表のスポンサー権、グッズ販売権のNPB帰属」が要望だったはず。この点は従来通りWBCを主催する米大リーグ機構(MLB)側にある。NPBが独自の収入源を確保できるようになったのは評価されても、利益配分などは当初のままだ。
選手会関係者の間では「日本が参加しなくても今回は開催するだろうが、ジャパンマネーが入らなければ次回開催はできない」という見方があった。しかしWBC消滅なら常設しても侍ジャパンに戦う場がない。国際大会がなければ、プロ野球人気そのものにも影を落とす。ひいては、年俸にも影響するとなれば、不参加は得策とはいえない。結局、球界OBのいう「スター選手も金も吸い上げられ、MLBのマイナーリーグになるしか生き残る道はない」という現実を突きつけられかねないのだ。
この日、選手会の新井会長はNPBの加藤良三コミッショナー(70)について「本来イニシアチブを取って(権利獲得のため)MLBと戦わないといけないのに、役目を果たしていない」と批判した。同コミッショナーは「直接聞いていないのでコメントは差し控える」としたが、一連の問題では元駐米大使としての人脈も交渉力も生かされた形跡がない。
MLB側は「選手会とNPBの国内問題」と指摘していたが、その点も解決されていないのだ。
■監督人事はやっぱり難航
WBCの今後の焦点は監督人事。しかし、加藤コミッショナーが「進んでいない」と話すように難航している。
11月にはキューバとの国際試合を予定し、代表ユニホームのサプライヤーも内定。事業展開する上でも、早急に監督を決める必要がある。現時点で候補に挙がるのは、現役なら巨人・原辰徳(54)、ソフトバンク・秋山幸二(50)両監督。最有力は昨季まで中日を率いた落合博満氏(58)ということになる。大きな影響力を持つとされる巨人・渡辺恒雄球団会長(86)も先日、ラジオ番組で「WBCの監督は落合君しかいない」と言い切ったばかりだ。ただし、落合氏には健康問題も急浮上。週刊誌が「顔面マヒで緊急搬送された」と伝えたものだ。代表監督は健康問題と切り離せない。アテネ五輪では長嶋茂雄監督、WBC第1回大会後には王貞治監督も病に倒れた。それほどのプレッシャーと激務なのだ。
実は、その落合氏が6日に都内で講演を行う。かつて別の講演で「WBCの監督はやらない」と語ったともされるが、今回も監督の話題は避けて通れない。ファンとの質疑応答もあるというから、どんな発言が飛び出すか注目される。
単に指揮を執るだけでなく、大会3連覇を求められるだけに失敗すれば経歴に傷がつくだけでなく、今後の球団監督の道さえ閉ざされかねない。それが最大のネックなのだ。
■選手は空前の人材不足
メジャー流出、進まぬ世代交代、さらに有力選手の故障もあって「日本代表は空前の人材難。3連覇は難しい」との声が上がっている。
セ・リーグのあるコーチは「特に内野手と捕手の層が極端に薄い。打線の迫力不足が気がかり」と指摘。西武・中村剛也内野手(29)の「4番・一塁」は当確としても、前回大会で4番を張った巨人・村田修一内野手(31)は今季11本塁打、打率・267と低迷している。
両リーグを通じ断トツの打率・323をマークする西武・中島裕之内野手(30)は、念願の海外フリーエージェント(FA)権を取得。来季はメジャー移籍が確実視されている。そうなれば、存在をアピールしなければならないメジャー1年目のキャンプを蹴って、日本代表に合流するのはまず不可能だ。
現時点では日本人最高打者といってもいい巨人・阿部慎之助捕手(33)だが、ここにきて故障がちで一塁との併用。阿部と同レベルの捕手は見当たらない。
ソフトバンク・松田宣浩内野手(29)は左手甲骨折、日本ハム・田中賢介内野手(31)は左ひじ手術で、いずれも今季絶望。前出のコーチは「日本ハムの外野手3人(糸井嘉男、陽岱鋼、中田翔)の守備力は高い」とみるが“専守防衛”では、厳しい戦いを強いられそうだ。