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消費税の引き上げとともに年金制度も改正され、年金受給に必要な加入期間が25年から10年に短縮された。今まで加入期間が25年に満たず、泣く泣く無年金になっていた人も、平成27年10月以降は10年の加入期間があれば年金を受け取れる。さらに、加入期間が10年より少ない人も駆け込みで保険料を納付する方法もある。早めの準備が必要だ。(佐藤好美)
◆「本当に良かった」
以前に紹介した大阪府高石市の自営業、山川孝さん(65)=仮名=は今回の制度改正を「良かった。本当に良かった」と喜ぶ。
山川さんは65歳の誕生日を迎えたが、年金はない。年金を受けるには原則25年の加入期間が必要だが、山川さんは12年弱しか加入しなかったからだ。しかし、今回の法改正で10年の加入期間があれば、年金が受け取れるようになる。
国民年金の保険料を10年納付した人が受け取れる年金は、月1・6万円(27年見込み額)。免除を受けた期間などがあれば、受取額はさらに少なくなる。
山川さんは「受け取れる年金はすずめの涙ですが、保険料を納めなかったのですから仕方がありません。後悔先に立たずですわ」と言う。
◆上乗せ給付も?
額は少なくても年金の受給権を得ておけば、他のメリットもありそうだ。
今国会では、低所得の年金受給者に給付金を出す案が検討されている。成立すれば、年金とその他の収入が少ない人に年金の納付期間に応じて月に最大5千円と、免除期間に応じた給付が上乗せされる。
給付金を受ける要件の一つが「年金を受給していること」。10年の加入期間を満たせば、この給付金を受けられる可能性も出てくる。
◆「あと3年」
年金の加入期間が10年になるのは27年10月。消費税が10%になるのと同時だ。消費税の引き上げが延期になれば同じく延期される。
東京都練馬区の小島良子さん(60)=仮名=の夫(76)も無年金。夫の年金加入は24年と8カ月。わずかに4カ月足りず、年金が受け取れていない。
法改正の知らせに小島さんは浮かぬ様子だ。「夫は76歳。実施される3年後まで長生きして支給に間に合っても、その後、どのくらい年金を受け取れるか…」
これまでに、なんとか年金が受け取れないかと社会保険労務士にも相談し、「もしも年金をもらえていたら」を計算したことがある。
「厚生年金もあるので、額は月に5万~6万円でした。夫は昨年、仕事を辞め、それ以後は貯金を取り崩して暮らしています。ですが、それも限界。制度改正を待っていましたが、月に5万~6万円の年金をもらっても生活はできそうにありません」と話している。
■年金の空白を埋めるには 後納制度で「滑り込み」
旧社会保険庁の調べでは、65歳以上で無年金の人は約42万人に上る。そのうち、加入期間が10年以上の人は4割。だが、10年に満たない人でも、今から年金の空白を埋める方法はある。
その一つが、この秋から始まる「10年後納制度」だ。未納にした年金保険料は通常、過去2年分しかさかのぼって納めることはできない。しかし、今年10月から平成27年9月までの3年間に限って、過去10年分の保険料を納められる特例がある。
例えば、現在59歳で過去に全く年金を納付していない人でも、今年10月に過去10年分の未納にした保険料を「滑り込み」で納付すれば、65歳から年金を受給することが可能だ。
ただし、「後納制度」は主に69歳以下の人を対象にした仕組み。70歳以上で利用できるのは、60歳以降に任意加入の手続きをした人だけなので要注意だ。
◆任意加入で10年に
さかのぼって納めるには、まとまった費用も必要だが、60代前半の人なら任意加入の制度を利用する方法もある。
任意加入とは、年金に加入義務のない60~70歳の人が年金制度に加入する仕組み。
例えば、加入期間が過去に8年しかない62歳の人でも、今、任意加入の手続きをして保険料を2年以上納めれば、法律が施行される3年後には加入期間は10年を超え、65歳で年金が受給できる。
◆カラ期間は要チェック
どの方法を使うかを決める際に大切なのが、自分の加入期間を把握すること。とりわけ「カラ期間(合算対象期間)」の有無を確認することが重要だ。カラ期間は年金額には反映されないが、加入期間にはカウントされる。
例えば、保険料を納めた期間が6年しかなくてもカラ期間が4年あれば、加入期間は10年になり、法施行後は6年分の年金が受け取れる。
具体的にカラ期間に当たるのは、(1)昭和36年4月~61年3月に会社員や公務員の配偶者に扶養されていた期間(2)昭和36年4月~平成3年3月に学生だった期間(3)昭和36年4月以後に海外在住だった期間-など(いずれも20~60歳未満)。
保険料を納めた期間、免除を受けた期間は、年金事務所で確認できる。しかし、年金事務所では全ての「カラ期間」を把握できないので、自分で申告する必要がある。自身の年金履歴をきちんと把握し、不足分を埋めることで年金権につなげたい。