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「TSUTAYA」を展開するレンタルCD・DVD最大手のカルチュア・コンビニエンス・クラブは、団塊世代を中心とするシニア世代の集客増を狙い、60 歳以上はDVDのレンタルを毎日1本無料にするというサービスを始めた。入会金も無料で「1本のみ毎日借りる方も歓迎です」と同社広報は話している。
60代以上では「レンタルする習慣がない」と答える人が予想以上に多いため、無料サービスをきっかけに「新規参入」させるための大盤振る舞いだそうだ。
■60代の35%が「生まれてから一度も利用してない」
「TSUTAYA」の60歳以上毎日1本無料サービスは2012年7月13日から8月12日までの1ヶ月間、一部の店舗を除き全国で実施される。対象はレンタル開始日から1年以上経過したDVD、ブルーレイ、VHSで、レンタルの利用の手軽さや、「TSUTAYA」 のラインナップの豊富さなどを体験してもらい、新規顧客増につなげたいと考えている。
「TSUTAYA」がシニアに向けたサービスを拡充するのは、レンタル利用に馴染みの無い人が多いため。キネマ旬報総合研究所が2011年10月に行った「映像メディアユーザー実態調査」によれば、60 代は35%の方が「生まれてから一度もビデオレンタルを利用したことがない」と回答している。これは下の世代に比べ約2倍の多さで、レンタルしない理由は「以前からレンタルする習慣がないから」と約半数の人が答えている。「TSUTAYA」はこの結果を「食わず嫌い」と判断し、それならば一度レンタルを経験してもらおうというわけだ。
「TSUTAYA」ではこれまでもシニア顧客にアピールするため、1960~90年代のお奨め映画を復刻したり、店まで返却に行くのが大変な人には郵便ポストに返却する「TSUTAYA」郵便返却サービス」を展開したりしている。11年12月には団塊の世代をメーンターゲットにした落ち着きと幅広い品揃えを持たせた「代官山蔦屋書店」を東京・渋谷区にオープンさせている。
■「TSUTAYAさんの腕の見せ所だと思いますよ」
「無料貸し出しをきっかけに、レンタルをするというライフスタイルが団塊の世代に浸透し、若い人に人気のアニメやアイドル作品なども鑑賞していただいて家族団らんなどにも役立ててもらえればと思っています」
と同社広報は説明する。
ただ、アンケートにもあるようにどうして団塊の世代はレンタルする人が少ないのか。レコードレンタル店が日本に登場したのは70年後半で、80年代に爆発的に利用者が増えているため、団塊の世代にとって馴染みがあるはずなのだが。
音楽評論家の加藤晋さんは現在60代。
「50代までの世代ならレンタルのライフスタイルは自然に身に付いていると思いますが、団塊の世代は抵抗ある人が多いんですよ」
と説明する。
加藤さんが子供の頃にレンタルといえば貸し本屋でマンガを借りてくること。その行為が「貧しさの象徴」としてイメージされ、レコードレンタルが大ブームになった時もそのイメージで敬遠する人が多かった、という。また、レコードや本にしても欲しいものは「収集」する、という傾向がある。例えば、レコードならば何千枚も自室にストックし、聴きたいときに自由に棚から出して聞く、そんなスタイルに憧れる。また、若い頃は日本映画の黄金期で、映画は映画館に行って見る習慣があり、見た映画の一つ一つと映画館がセットになって自分自身の「財産」になっている、と指摘する。
「団塊の世代をレンタル店に足を運ばせる、これは相当な意識改革が必要で、無料でも難しいんじゃないですかね。TSUTAYAさんの腕の見せ所だと思いますよ」
大日本インキ工業の子会社、DICプラスチックは「ベビー&キッズEXPO」(4日~6日)に子供用ヘルメット「Solano」を出品した。それはハンチングスタイルでチェック柄で、デザイン性を重視したものだ。
[関連写真]
「当社は90年代に長年培ってきたプラスチックの技術を活用して子供用ヘルメットを製作し、ブリヂストンにOEM供給をしてきたんです。そして、昨年10月自社ブランドのものもつくろうとなり、他のメーカーと差別化するため、このような形のものにしたのです」と同社関係者は説明する。
このヘルメットは競技用ヘルメットと同じ製法、外側のソフトシェルと内側の衝撃吸収ライナーを一体に成形し、軽くて丈夫な構造になっている。ちなみに重量はSサイズが約260g、XSサイズが約250gだ。また、日本人の頭によくフィットするようにやや幅広な内面設計にしてあるという。
「販売ルートも自転車店ではなく、百貨店、子供服店をメーンにして、ファッション性を重視している若いお母さんを買ってもらうようにしたんです。現在、百貨店からの引き合いがずいぶんと増えている状況です」と同社関係者。
価格は4935円で、同社では2013年度2億円の売り上げを見込んでいるそうだ。
《レスポンス 山田清志》