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2010年、中国浙江吉利控股集団(ジーリーホールディンググループ)に買収されたスウェーデンの高級車メーカー、ボルボカーズ。吉利集団の傘下に入って以来、ボルボカーズのトップが初めて交代した。
これは10月19日、ボルボカーズが明らかにしたもの。2010年からCEOを務めてきたステファン・ジャコビー氏に代わって、同日付でホーカン・サムエルソン氏が社長兼CEOに就任する人事が発表されたのだ。
ホーカン・サムエルソン氏は大手トラックメーカー、MANの会長兼CEOを2005年から2009年まで務めた人物。2010年には、ボルボカーズに取締役として、迎え入れられた。自動車業界でのキャリアは35年に及ぶ。
また、前のCEO、ステファン・ジャコビー氏はボルボカーズを去る。同氏は、親会社の吉利集団の副会長との対立が伝えられており、2012年9月に脳卒中となり、病気療養中だった。
吉利集団の李書福会長は、「ボルボカーズの収益性をさらに高め、中国における成長計画も加速する。ホーカン・サムエルソン氏の経験とリーダーシップが、業績を向上させるだろう」とコメントしている。
《レスポンス 森脇稔》
ソウルの日本大使館に今年1月、火炎瓶を投げ込み韓国で実刑判決を受け服役中の中国籍の劉強受刑者の身柄をめぐり、韓国が日中の間で厳しい状況に立たされている。劉容疑者は、昨年末の東京・靖国神社への放火容疑が持たれていることから日本側は身柄引き渡しを求めているが、中国政府は中国への強制送還を強く要求。韓国でも朝鮮半島の日本統治時代の元「慰安婦」を支援する反日団体などが出てきて、日本への引き渡しをしないよう韓国政府に圧力をかけているという。(ソウル 加藤達也)
劉受刑者の身柄をめぐっては韓国外交通商省の趙泰永報道官が16日、「国内法と国際法、人道的な見地を総合的に考慮して結論を出す」とし、対応を決めていないことを明らかにした。
だが、日韓間には犯罪人引き渡し条約がある。「本来は、条約に定められた引き渡し拒否の理由にあたらない限り、粛々と引き渡しが行われるべきだ」と日本警察関係者は指摘する。
条約に従えば、手続きは韓国での刑期終了後、身柄引き渡しに問題ないかどうかソウル高裁が審査する。「一般刑事犯罪である放火犯の引き渡しは通常ならばまったく問題なく、迅速に決まるケース」(韓国警察関係者)という。
条約では、引き渡しを拒むことができる場合について、容疑者の引き渡しが請求されている犯罪が政治犯罪であると被請求国(韓国)が認定した場合などがある。しかし、今回の事件の容疑は建造物等以外放火だ。万が一、合理的理由もなく日本への引き渡しが実行されなければ、韓国は犯罪人引き渡し条約の不履行国となり国際的信用の失墜は免れないことになる。
韓国紙の中央日報は15日、この問題を1面と8面で大々的に報道。そこには、この問題に対する韓国側の認識が如実に反映されている。
報道では劉受刑者は11月8日に刑務所を出所する予定。出所後は、「昨年末、東京の靖国神社への放火容疑で日韓犯罪人引き渡し条約に基づき(逮捕状を取っている)警視庁に引き渡される見込みだ」としている。
しかし、中国政府が外交ルートで「日本に引き渡さず中国に追放してほしい」と韓国政府に強く要請していることから、「問題が複雑になっている」とも報じている。韓国政府が劉受刑者を「法に基づいて処理するには考慮すべき変数があまりにも多い」としている。
中央日報が指す“変数”とは何か。それは劉受刑者の犯行動機だ。
劉受刑者は、韓国警察での取り調べや公判で、火炎瓶事件の動機を「日本政府が過去の歴史を認めず責任もとらないことに怒りを感じた」と述べている。また、朝鮮半島の日本統治時代に祖母が日本軍によって中国南部に連れて行かれ、慰安婦をさせられたとも主張している。
劉受刑者が主張する境遇は、警察の捜査段階から垂れ流されてきたが、実は警察も裁判所も真実かどうか検証していない。にもかかわらず、韓国メディアが、逮捕直後から本人のインタビューを放送するなどして完全な事実であるがごとく伝えられてきた。
その結果、韓国では反日団体を中心に「日本帝国主義時代の犠牲者の敵をとった」とする認識が生まれ、元「慰安婦」を支援する反日団体「韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)」も劉受刑者を日本へ引き渡さないよう韓国政府に影響力を及ぼそうとしている。
もう1つの“変数”は中国だ。
中国外務省の洪磊報道官は16日の定例記者会見で、劉受刑者の身柄について「韓国が公正で適切に解決することを望む」として、中国への強制送還を求めた。
中国の孟建柱公安相は7月に訪韓した際、韓国の権在珍法相に対し「中国国内には反日感情があり、(身柄を)日本に引き渡せば最終的に(中韓間の)外交問題となる可能性がある」と発言。韓国側はこれに、「懸念を理解する」と応じて明確に中国の圧力を拒否しなかった。
中国は劉受刑者の身柄を対日、対韓の外交的な勝ち負けの問題としてとらえている。そして、「(身柄を)勝ち取って、国民に中国の外交力を示すつもりだ」(中韓外交筋)とみられる。
韓国の司法関係者は「中国政府は出所後の劉受刑者を英雄的に出迎えるため、パスポートの発給準備を進めている」と明らかにした。また、韓国メディアによると、韓国法務省が被告に難民の地位を与えることまで検討したという。
条約は近代国家間の信頼の上に成り立った国際社会のルール。「反日なら何でもあり」の雰囲気や中国の圧力に屈して条約を守れないのであれば、韓国は普通の近代国家とはいえない。
近年、音声認識技術の発達により、カーナビゲーションやスマートフォンをはじめとするモバイル機器に多く採用されている音声入力システム。今後は家電製品への展開も検討されており、またビジネスモデルのグローバル化により、ビデオ通話やテレビ会議の機会が増加するとみられることなどから、音声入力システムに対する需要及び高性能化への要望は高まると予想されている。
こうした場面における集音技術では、目的音をより明瞭化することが必要となる。これまで指向性を持たせるために使用されていたマイクは、物理的な構造(筒状の構造)によって指向性を生成していたものの、指向性を鋭くする際にマイクサイズが大きくなることや、物理的な変更なしに指向性の制御ができない等の問題があった。
この問題に対しローム <6963> は、2つの無指向性マイクで鋭い指向性を形成すること(ビームフォーミング技術)で音声品質を向上させることができるデジタル信号処理LSIを開発。ビームフォーミング技術とは、複数のマイクの位相差を利用し、目的方向以外の音を低減させる技術のこと。これまでも2つのマイクを用いて指向性を形成する技術はあったものの、指向性を上げるためにマイク間距離を長くする必要があり、小型のポータブル機器への搭載には適しておらず、また、デジタル信号処理による遅延時間や音質の劣化も課題となっていた。しかしロームの開発したデジタル信号処理LSIは、2つのマイクを10mmという短い間隔で実装できるため、スマートフォンをはじめとするあらゆる小型機器への搭載が可能となっており、さらに、処理の最適化を行うことでビームフォーミング機能使用時の処理遅延時間を10msec以下にし、他のアプリケーションへの影響も最小限に抑えられているという。
目的音方向(0°)に対して背面方向(180)の減衰量を、従来マイクと比較して30dB以上大幅に改善し、さらに同社測定では、周囲ノイズレベル55dBSPLの環境下における音声認識精度が5%から90%に向上しているという。筆者も10月2日~6日に千葉・幕張メッセで開催された「CEATEC JAPAN2012」でデモ機を試し、クリアな音声を体感した。
他国の企業には真似できないような新しい技術が次々と生まれる訳ではない。そうした中で日本企業が技術大国として生き残るためには、既存の技術を真似の出来ないレベルにまで高める必要があるであろう。日本経済を支えるものであるだけに、そうした技術の進展にこれからも期待したい。(編集担当:井畑学)